孤独な相場師 近藤信雄  　　　　落書帳�D



◆昭和48年に資産2000億円を遺して死んだ怪物相場師、近藤信男は　「幽霊と相場は人に知られたら妙味がない」と言っていた。孤独　の相場師として誰にも正体を覗かせず、極端な人間嫌いで一生を過ごした男だった。マスコミに登場する時はいつもカラ売りで大損ばかりのニユ−スが報道され太鼓を叩く強きの話しは決して巷に流れてはこなかった。

◆死ぬ４年前の昭和４４年、当時の花形人気株を次々に大量のカラ売りを仕掛け、ソニ−、大和ハウス、リコ−等の代表株の空売りは有名な話。当時の日経平均は2000円前後で、約90億円の空売り損失を出し、先物取引でも30億円の損をし死ぬ前年の春には北浜のボロ株と言われていた中山鋼の仕手戦を繰り広げ、ここでも大量のカラ売りで「40億円の損」とマスコミを賑わした。さぞかし懐は火の車と思いきや69歳の生涯を終えた遺産は2000億円。怪物相場師の実力ぶりをまざまざと世間に見せつけてくれた。当時の 新聞や週間誌は「巨星堕ちる」「怪物が死んだ」と報道し衝撃が兜町を駆け巡った。葬儀の時も伊藤忠の越後社長が葬儀委員長で、総代には住友銀行の堀田会長、東海銀行の三宅頭取、等が名を連ね、焼香者もこれ又超一流の財界人多数が馳せ参じ生前財界活動に背を向け人間嫌いで通してきた実像、魔神ぶりは晴天のへきれきと驚かれた人物だ。

◆日露戦争勃発の半年前の明治36年7月生まれで、慶応大学時代に既に罫線をつけ兜町で相場を張り、父親の死で多額の負債を抱えた綿 紡績会社を継ぎ経営者と相場師の戦いを開始し昭和2年の金融恐慌、
  4年の世界恐慌の荒波も浜口内閣のデフレ政策の時も「綿紡の経営 は原料の仕入れ相場で決まる」と 天候や作付け情況と相場の勘の大事を会得し昭和6年の満州事変の犬養内閣の需要拡大政策では乾坤一てきの綿花の買い占めを断行し、米国ミシシッピ−大河の大洪水で綿花は一挙に高騰し500万円の利益を挙げ、逆運から好運の男に変身した。この時28歳。彼は「チャンスは誰にも有る」と相場に必要なのは「チャンスを掴み鋭智に賭ける勇気」だといっていた。

◆近藤紡の人生訓は「いくら金があっても米が無くては人間は生きていけん。常に不時に備える心構えが大切な事だ」と歴史と経済の変貌は異常な関心を持ち、動乱の時こそ次なるチャンスと将来を見つめた辛抱の男で冷静と強引さは流石に「売り将軍・怪物相場師・無頼の横紙破り・乱世の雄・人間嫌いのウルトラマン」の異名を取り、ケネディ・ショックからの大暴落で四社が必死の買い支え、山一・大井証券の倒産騒ぎに発展した時も、強引な売り叩きは野村証券の奥村当時会長から「首つりの足を引っ張る事は自重してくれ」との勧告に反論し「野村こそ首吊りの足を引っ張るのが常套手段ではないの  か」と言った事は余りにも有名で以来、野村はむきになって近藤叩きに狂争し犬猿以上の死闘戦が繰り返された。

  ミニスカ−トからパンタロン　人気（昭和45年頃から）の時には買いで大儲けしたが、彼の行動は終始一貫徹底した秘密主義を貫き通した所に勝因があったようです。

◆寶玉堂の投資戦略も決して味方は望みません。不要です。ひたすら己れを信じ、行動を共にして下さる一握りのお仲間有れば敵無しです。

  有象無象のチョウチン筋は大勝利を得るためには邪魔です。不要です。 相場の世界は腕力・勢力に非ず綿密な分析と戦略の決断力と運の強さと正直です。  兜町を相手に我が道一筋に寶玉堂は進むのみ・・・

　　　　寶玉堂は皆様に考えて頂き儲けて貰う！
　　　　　　　　其の為このメッセージ」を送り続けているのです