◆今日は野村証券の前進、 野村徳七 の話です。　初代の父親、野村徳七は貰いっ子の　「徳松」　と云い、１１歳の時、大阪屋の両替屋に奉公に出て養子になった途端養父母が共に死亡し、維新の混乱にも巻き込まれ両替屋の店を閉め、止む無く２４歳で独立し、世帯を持ち野村姓に改称したのです。　石橋を叩いて渡る着実な人生をを選ぶ地味な両替屋を開き、危険を犯さぬ努力家だつたのです。　妻は外柔内剛の誉れ高き才女でした。

◆二代目、徳七は幼名を信之助と云い、明治11年生まれ、干支は五黄の虎、頭の切れは早く、流れを見抜く眼力と、才能と実力を兼ね備えた聡明かつ気骨の激しい性格で新しい時代を生きる為、他人の背を見て歩くタイプだったのです。　１８歳で姉婿の店に入社し、すぐさま相場の味を覚え、手張りの実践思惑で相場の 　「妙」 　を会得し相場上手と騒がれ出し一躍名声は広がり、初代、徳七を説得し、両替店から株式現物問屋に転業させ、采配を奮う様に成ったのです。　信之助（二代目・徳七）は、厳しく激しい母親の教育の影響からか、積極且進歩的な経営方針を打ち出し、男尊女卑の時代にも拘わらず、女子社員を採用し、何処の店よりも早く社員に背広を着せ日露戦争後の熱狂相場の波に乗り見事に金的を射止め、大儲けし躍進したのです。

◆勿論、相場の世界の厳しき苦汁期もあり、義侠心強きが故の自殺を計った岩本栄之助に助けられた事が有り、栄之助がいなかったら、今日の野村証券は存在しなかった筈です。　３０歳の時、二代目 徳七 を襲名し、欧米文化と化学的株式投資を取り入れ　「調査の野村」　が誕生したのです。

昭和４年に大阪経済研究所に１００万円を寄付し、原理研究よりも現実的、具体的な問題の　「確実な研究デ−タ−」　 こそ大事との考えを主張した現実主義者だったのです。　危険を犯すギャンブラ−（賭博師）を否定し、リスクの高い思惑こそ相場師の道と云う相場師の概念を捨て、結果が良くても動機が悪い社員はバッサリ切り捨てる徹底経営指導の根底に、野村大国、野村天皇といわれた起因があるのです。

◆人材の大胆な起用にも、当時主任クラスの奥村さんを一気に社長代理に抜擢する決断力は世間をアッと云わせ、その後の野村の飛躍の原動力に成ったのです。　野村証券・ 大和銀行・ 東京生命の創始者でも知られている本物の実力者なのです。　軍隊生活時代 に仲間を軽蔑した駅長の駅長室を、仲間と一緒に襲い、メチャクチャに壊しに行き、憲兵隊に引っ張られ、憲兵隊に仲間の名前を聞かれた時にも　 「自分一人で壊した」　 と最後まで仲間をかばい通した意志の堅さ、情義の厚き男気の持ち主は、信長の勇気と秀吉の知恵、加えて家康の慎重な行動の三拍子を持っていた偉大な相場師だったのです。

◆昨今の野村の評判は、些か心配の種多いようですが、奥村・瀬川・大田渕小田渕あたりまでが 徳七精神 を実践に映した野村商法だったかも知れません。


　　
　　寶玉堂は皆様に考えて戴き儲けて貰う。其の為、此のメッセ−ジを送り続けているのです。
　　　　


　　　　野村財閥 　　　　創業者　「野村徳七」　　　　野村徳七 　　　　　野村徳七
　　　

野村　徳七