寶玉堂のテレホンメッセージ　　　　　　　平成九年七月三十日　（水曜日）

◆東南アジア通貨の下落が続いてますが、この混乱の嵐を呼び起こした犯人こそ 「非良心的なトレ−ダ−達が仕掛けた国際的犯罪・戦犯」 と痛烈に批判し、暗にジョ−ジ・ソロスだというのです。　マレ−シアのハマティ−ル首相と、米国のバ−ンズ国務省報道官との間でも、通貨動揺の犯人論争が四日前にあったばかりです。　アジア通貨の下落は、予想以上に経済を脅かし、関係諸国に及ぼす影響を、ＡＳＥＡＮ拡大外相会議では、危機感を強め、為替投機の抑制をＡＳＥＡＮは要請した。　これに対し、米国は逆に市場開放を求め、摩擦の火種は収まらず当分話題は尾を引きそうです。
◆一体、このアジア経済を混乱に落とし入れた男、ジョ−ジ・ソロスとはいかなる人物なのか？　彼の事を　“世界経済を動かす謎の投機家”　と人は呼んでいるのです。　現在の彼の個人資産は世界四十二ケ国のＧＤＰ（国内総生産）を上回る財産を持ち、世界の金融市場を相手に勝負に挑み、ゲ−ムに快感を求め続けている男なのです。　1930年（昭和５年）ブタベスト生まれのユダヤ人　で、ロシアの捕虜から脱走したり、ナチスの民族狩りの生き残りで、無一文から出発し、金銭欲は人一倍優れた型破りの理論家　でもあったのです。　多くの人は金融市場は合理的秩序と解読するが、彼は　「不安定で混沌しているのが金融市場で、それを支配するのは数学ではなく人間の群衆心理である」　と説いているのです。

◆現在の実力は　「Ｇ７の政策をも揺るがす男」　とも言われ、彼がコ−ルドを買うと皆んなが買い出し、相場の価額も急騰し、ドイツマルクの価値を疑問視する記事を書くとマルクが下がり、不動産に投資し出すと下落傾向の地価が一夜にして上昇に転じてしまう程の実力者と言っても過言ではないのです。

◆株価の上昇・下降のプロセスを誘発する可能性は、在来のル−ルが変わろうとしている時、その変化が再帰現象を引き起こし動き出すとも言っているのです。
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◆最近の円高相場を仕掛けたのも　ソロス　と騒がれ、世界経済の動く所には必ずソロスが存在するのです。　アジア経済を揺るがし、その陰で莫大な資金をかき集めている　のも　ソロス　なのかも知れません。

◆ソロスの経歴は、彼がマスコミ嫌いの為、詳しく知る人は少ない筈ですが、彼が一躍脚光を浴び、話題になるようになったのは、世界一の慈善家として巨額の寄付を、東欧・ロシアに出し初めてからで、その行為の底の本質はまだ謎だらけです。　然し、１９８１年（昭和５６年）に　莫大な損出　を出したこと、２００２年(平成１４年）にはインサイダー取引で　２００万ドルの罰金　を科せられたことは知る人ぞ知る実話なのです。　それでも、現在の彼の年間個人所得は長者番付（平成８年度）は第一位、史上最高の十一億ドルで、日本円に換算すると、年収千三百億円！　なのです。

◆千三百億円はロ−ルスロイスの六千台分です。　コロンビア大学の全学生の学費の三年分です。　昨日（平成９年７月２９日）の株価で計算すると、ＮＴＴ株なら十一万株を買う事が出来るのです。　ソニ−なら千三百万株を一度に買える額です。　桁が違うのです。


寶玉堂は皆様に考えていただき、儲けて貰いたいと、毎日、欠かさずメッセージを送り続けているのです。
　　　　

ジョージ・ソロス